小屋の草屋根の施工方法のご紹介
この梅雨の長雨のおかげもあって先日、木製小屋の屋根に施工した芝張りが元気よく緑になっていたので、施工方法をご紹介します。
破風や鼻隠しはトタン波板より芝生つ土の分だけ数cmあげました。
以前、高田造園さんに教えてもらい、トタンを止める釘はシュロ縄を巻いて止水していきます。この工法は江戸時代の木製水路の釘止め部分の水漏れ防止に用いられてきた方法で、高い防水効果が持続していくそうです。また、シュロ縄に菌糸が繁殖し土壌環境もよくなってきます。
鼻隠しとトタン部分は隙間をあけ空気が抜けるところをつくります。鼻隠しとトタンをくっつけては空気が抜けません。空気が抜けなければ水も滞り芝生は根腐れ起きやすくなり、そもそも空気が循環しないと土も植物も生きていけません。
その部分に炭や荒枝を絡ませ、空気が程よく抜けやすく
枝葉も絡めて土が流出しないように空気と水だけが抜けるようにしていきます。
トタンの上には炭をまきます。
その上に細かい枝葉を敷きならし
更に、藁を程よく敷きならしていきます。これで全体に菌糸のネットワークが張り巡らせることができてきます。
屋根に載せる土は、自分たちでつくります。くん炭多めに炭とパーライトで改良していきます。どの材料も多孔質で空気が通りやすい材質です。水はけもよく保水性もある土になります。屋上緑化用で販売している土は高価ですし・・・。
芝生を貼って、軽く荒いチップやくん炭をまいて、完成です。
ポイントは、限られたスペースでも空気循環をつくったことです。空気と水が行き交うところに土も動植物も息づく環境が生まれてきます。 また、植物は、自身の根だけでなく根と共生する菌が根が届かない範囲の栄養を届けてくれます。菌は、植物にとって大切なパートナーです。これらの菌も適度な空気循環が必要です。
見えない空気をデザインすることが大切なのです。逆に空気循環さえ作れればコンクリートの上でも植栽は可能になってきます。
緑化された屋根は、夏の暑さ和らげ周囲に心地よい空気感を与えてくれることでしょう。
最後におまけの写真。
雨に濡れた大谷石と石畳みのアプローチはいい感じです^^