土壌通気改善で思うこと
年末に手入れに周りきれなくて年明けから各現場の手入れに入らさせて頂いております。
手入れは、樹木の剪定はもちろんですが、樹々の状態を見て土壌の改善も行います。
雑木の庭は作った時が完成ではありません。手入れしながら庭作っていくきますが、その過程で、まずは、全体の様子を見ます。幹や葉っぱの色合い、枝のつき方など総合的に様子をうかがいます。ここの状態を見ると常緑樹のシラカシの葉っぱの色合いが明らかにおかしいのがわかります。健康ならこんな黄色い色はしません。もっと青々としたツヤのある緑色になるはずです。
これは、土中の通気が悪いことが原因の一つに挙げられます。しかし、写真の下の方に竹筒が見えるように以前に通気改善をしたのですが、改善されませんでした。
なので、もう一度掘ってみました。
竹筒を入れた深さはそんなに言うほど悪くはなく、細根も出てはいましたが、竹筒の下の方は水っぽく水が停滞している感じでした。そこで更に深く掘ってみること。
すると、その下は案の定、グライ土が出てきました。
砂質系のグライ土ですね。
上の方は山土の盛り土なのでしょう。
本来は水ハケがいい砂地でも、住宅造成で重機などで十分に砂質が締め固められた結果、通気不全を起こし周囲の土壌を悪化させたのでしょう。ここまで縦穴を繋げる必要がありました。
今回の土壌通気改善で思うこと
縦穴の通気改善をする場合、よく、どの位の深さを掘ったらいいのかと言う疑問にぶつかる時があります。その寸法的な答えはやはりなく、それぞれの現場で状況は変わってきますね。浜松付近では盛土は山土が使われることが多く拳位の大きさの石ころは多く入ってきます。縦穴を掘るとき、それにぶち当り掘ることが困難な場合があります。そこで諦めずに頑張ってもう一つ下の層まで掘り込み、空気を送り込むことが大切だと感じました。
また、そもそもの話ですが、盛土をする場合は既存の地盤の通気を確保する必要がありますね。
造成段階で地中の空気通しの視点があれば植栽時にここまでする必要もなくなるはずです。
しかし、こういう造成地は多いと思います。もう、普通に土壌改良しただけでは木は元気に育ちませんね。
この空気通しの視点を持った造成が当たり前の世の中になればいいなと感じます。