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水脈、気脈改善工事

2015.03.07 |

高田造園設計事務所さんと一緒に矢野智徳さん流の水脈、気脈改善工事をしております。
家の北側に山を背負った敷地で粘性土の中々の条件です。IMG_4268
山側と家際に溝堀りをし数カ所縦に深い穴を掘っていきます。
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掘ってくると血管のように走る水脈にぶつかると水道管を割ったように水が沸いてきます。
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出てくる土はヘドロかした青い粘土。これでは、水が停滞し土が悪化していきます。今回はこの住宅造成した時に悪化された大地の中の水と空気の流れを徹底的に改善していきます。改善をしていかないといつまでも北側はジメジメしてしまい、樹木にとっても人にとっても良い環境ではありません。
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掘った溝に炭や枯れ枝を戻していきます。現代土木のパイプやコンクリートでの排水だといずれ詰まってしまいます。有機物と無機物をバランスよく合わせながら埋戻しをしていきます。また、枝もただ並べるのではなく物事を動かすのは水や風なので水や風ならどうするか、水や風の気持ちを持って作業をしていきます。川で枝が流れていきどのように枝が地面や石等に刺さって止まるか、そんなイメージをしながら作業を進めます。IMG_4302
その上に植栽の木立を配置します。空気や水の流れが良好なところなのでここに樹木を植えると樹木は健康に育ちやすくなります。また枝が腐れば栄養になり根を張りやすくなります。
水脈、気脈改善工事は大変な作業です。ただ、木が健康に育たなければ病害虫はつきやすくやるし心地よい環境を我々には与えてくれなくなります。どこまで根気強く作業できるかですね(笑)

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今回、工事に使った枯れ枝の一部は実は、友人の屋敷林に囲まれた古民家から譲り受けました。

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庭は淡竹に追われ、枯れ枝などの処分にも困っていたそうです。庭をつくると落葉の問題も出てきますが落葉も枯れ枝もしっかりと資源になるのです。樹々の役割、力をもう一度見直す時がきたようにも思います。また、自然界も人間界も滞ってはいけないと感じました。淡竹の整備に訪れ、人が動けば物も動くのですね。

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さて、自分の現場も紹介します。白い四角い家の外構・雑木の庭工事も終盤です。坪庭と下草の植栽や整地をして完了となってきます。
もうすぐ、雑木も新緑が出てきます。雑木にとって一番感動を与えてくれる季節がやっきす。一日一日、変化する様を楽しみに現場を進めて参ります。