今年の締めくくり
もう、今年も終わり。ブログの更新も10月以来となりました。2ヶ月あまり更新無しなんて初めてですね。慌ただしい日々を過ごしていましてお待たせやご迷惑お掛けしているお客様、関係者の皆様申し訳ございません。
簡単に10月以降の出来事を書いてみます。
焼津市を本社におく近藤建設工業株式会社さんの新規オープンのモデルハウスの『雑木の庭』を造らせて頂きました。こちらは、木という自然素材のぬくもりを活かしながら、構造的に丈夫で、家族の変化に合わせて間取りも変えられるSEドミノという構造で更に太陽エネルギーを利用したOMソーラーも搭載されているので快適な生活を送れる建物になっています。
外を意識した開口部の設計もありがたいです。日々忙しく仕事をして帰宅後や休日にはリラックスしたいものです。自然を身近に感じられ心地よく過ごすには庭と建物の調和が必要だと思います。
千葉の高田造園設計事務所さんが浜松市で雑木の庭工事がありお手伝いをさせて頂きました。浜松の土は硬く石ころも多く、場所によっては粘性土のところも多々あります。こういう土壌において高田さんの徹底的にやる土壌改良の術は大変勉強になります。木が健康に育つためには土壌改良には妥協しないという高田さんの言葉を心に刻みこみました。
アプローチの仕上げはマサ土の洗い出し仕上げ。スポンジで何度も洗い、側面に丸みを出し、役石を刷毛で洗うなど各人が手分けして細かい作業を行います。連携作業が大切です。
造園の仕事は細かいこと、面倒なことをどれだけやるかが勝負ですね。そこでやっと人間らしい暖かみのある仕上げるのだと感じました。
しばらく日にちを空けてからの植栽2期工事です。1期工事で植栽したコナラが枯れ始めていました。葉の状態が悪いならその下(土)が悪いかもしれないとその付近を掘ってみる案の定水が耐水していました。こうなると水は腐り、土はヘドロと化して有害な気を発し、土中環境をさらに不健全化していきます。地下の水の流れが円滑でなければ木々は健全に育つことはありません。木々が健康に生育させるには土中の改善が必要になります。
重機とダブルスコップを併用して深い縦穴を掘ります。水の抜ける層まで掘込みます。そこに竹筒を差し込み下から空気の流れを造ります。その廻りには剪定枝を差し込み木炭などの改良材を撒き込みます。これが土中の呼吸孔となり水と空気の動きが土中に生じることによって周辺の土中環境も再生されてくるのです。
雑木の庭は我々に心地良さを与えてくれますが、それは木々が健康で育ち庭が健全であれることで初めて感じられることであります。そのためには土中の空気を水の流れを改善していかなければなりません。植栽工事ではどうすれば木が健康に育つかを考えていくことが大切なことだと感じられます。
高田さんと話すと最近は『水脈・気脈』という言葉が連呼されます。高田造園では『水脈・気脈』が今年の流行語大賞ではないでしょうか(笑)というのも高田さんが矢野智徳さんと出会ったからだと思います。この矢野智徳さんは大地を再生するという壮大なことをしている人です。私も高田造園設計事務所さんの山で開催された矢野智徳さん講師の『大地の再生講座』に参加してきました。
地上の気象学は進んでいるが地下(土中)の気象学は未だ進んでいません。土中にも空気と水は毛細血管の用に流れています。土留めをしたり表面の排水だけを考えた現場土木は土中の水脈と気脈のことは考えていません。水と空気の流れを遮断すればいずれは土砂災害などはおこります。あれは自然災害ではなく人災だとも言われます。大地の水と空気の流れを改善してあげれば森は蘇ります。畑でも水と空気の流れを改善してあげれば無農薬で野菜は健康に育つと言います。自然災害も少なくなってくることでしょう。この問題は我々だけでなく一人一人がしっかりと考えていかなければならない問題だと思います。また、造園に携わる人間はここに出番があるのだとも感じました。自然に触れ合う仕事はおそらく我々造園業界が一番身近な仕事だと思います。我々がもっと声を大にして発信してくことも大切なことだと感じます。
大地の再生講座の昼食は地元の方々による炊き出しです。ロケットストーブで造った猪鍋は格別でしたね。
最後の報告です。「ブロックガレージコンペ」で入選しました。ガレージ本体だけでは素敵な空間は完成しません。やっぱり木々に囲まれ、建築物と庭が調和して初めて心地よく素敵な空間ができると思います。こちらもご覧下さい。
まだまだ報告したことはありますが、この辺で終わりとします。
今年1年、お客様や協力業者などたくさんの方々にお世話になりました。無事に新年が迎えられそうです。感謝致します。来年もどうぞよろしくお願い致します。