敷地は、道路との高低差が最大で2m程あり、湾曲した角地になります。緑に包まれる心地よい住まいにしてほしいとのお施主様からのご要望がありました。そのためには、健康的な木々が必要であり、それだけでなく、生き物が息づく土壌環境の改善も必要になってきます。
敷地の斜面変換線部分は、水と空気が集まり深層にも浸透するようにし、水が多い時、浸透しきれないものは側溝へはけていくようにするために、道路側溝沿いに溝を掘り、側溝にも穴をあけ有孔菅と炭と竹や枝葉など有機物で組み戻し通気浸透水脈改善をしました。
高低差の処理は、一定勾配だと水が浸透せずに表面で走り過ぎてしまうので、自然の山の谷と斜面と尾根が連なる地形にならい、石、丸太、枝粗朶のしがらみ柵、植栽など互いの配置や角度、土の傾斜など素材の組み合わせによって水を蛇行させ浸透させるように決めていきました。
写真1、2枚目:撮影/撮影=トロロスタジオ ©建築資料研究社『庭』250号