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遠州浜の防潮堤で思うこと・・・。

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今日は、遠州浜沿いで個人邸の植栽工事でした。
そのお昼休みの間に海岸沿いを散策してきました。
道路から見ても松林は荒れているのがわかります。薮状態で林内は風も通らない様子が写真でもわかると思います。
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中に入ると想像通りにやはり荒れているのがわかり、そして木々には生命力が感じられません。
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折れている松も見られます。おそらく松くい虫に入られ幹の中は空洞になり強風時にそこからポキっと折れたことが想像されます。
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残っている松を見ても立ち枯れしているものやマッチ棒のような細く力強さは全く感じられません。
松は、建築では横架材として使われていたこともあり、根も深く張り、本来はとても力強い樹種です。だから、厳しい環境の海岸沿いにも植えられてきたのだと思います。
また、健康な松なら、他の樹種とは比較にならないほどの樹脂を幹内で流れキクイ虫なども追い出す力があるはずです。
そんな松が今は見るも無残な姿となっています。
これは、何が原因かと考えると、近隣の宅地化や道路網の開発が一つ考えられると思います。アスファルトやコンクリートで覆われ、地中にもコンクリートなどが入り込み空気と水の循環が乏しくなってしまったことです。空気と水が遮断されてしまうと土の中では酸欠状態が進み土は腐りグライ土になってきます。そんな土では微生物や小動物は生息できず、また樹木の根は張ることができず木々は弱ってしまいます。本来、木々の根が張ることで地中の空気と水の循環がよくなるのですが、その根が伸びることができないという負の連鎖によって今の状態になってしまったと思います。
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もう少し海側へ進みました。
元々あった松林を抜根伐採して作った防潮堤が見えてきました。
撤去した代わりに植栽された苗木たちです。
あまり元気があるようには見えません。
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人工的に作られた傾斜地は、表層で水を流し表土を流していきます。
これがどんなことを示しているかというと、しっかりと水が地面の中に浸み込んでいないということです。水が浸み込んでいないということは地中に空気も通っていないということです。水と空気は表裏一体で動きます。イメージしてください。ペットボトルの中の水が外に出たということはペットボトルの中に空気が入ってきます。
土も生きています。
人と一緒です。空気が必要なのです。
空気と水が循環するところに生き物が生きづける環境が生まれてきます。木自身も空気を求めて根を伸ばします。
微生物、小動物、木々の根などお互い相互作用をもたらしながらプラスの循環になり土も育ってきます。
土がやわらかく肥沃になってくれば根は張りやすくなります。根が張れば空気もよく通り生き物たちも住みやすくなります。彼らがまた土を肥沃にしていってくれます。
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自然の山は尾根と谷があります。直線的な勾配はなく流線型を描いています。
谷があることで地形に落差が生まれ水と空気の循環がよくなります。
谷間の存在が大きな働きをしています。
傾斜地を人工的に作るときも直線的ではなく、山の尾根と谷をイメージしながらかまぼこ型のように作ると水と空気がしっかりと地中に入っていくと思います。
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防潮堤の上に登ります。
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これが天竜川河口から浜名湖までの17.5km続いています。
自然の力を人工的に抑えることができるのか・・・。
中々難しい問題ですが、逆に自然の力を借りて自然と共存する空間づくりはできないものなのか。
松林も傷んだから、虫が入ったからといって安易に農薬散布や化学肥料を与えるのではな自然なメカニズムに習ってく根本的な中の空気と水の循環する水脈環境を整備してあげることが大切だと思います。
力強い松本来の姿を取り戻せば、コンクリートよりも強い防潮堤ができたのではないかと思います。

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