吉野山 特別大花見 桜中茶会 〜研修〜
4月に奈良県吉野山で特別大花見 桜茶会でお茶席を所属する社中で受持つことになり、吉野まで研修お稽古に行って来ました。
吉野と言えば、世界遺産であり、役行者が開いた山岳修験道発祥の地、また、豊臣秀吉が絶頂の勢力を持っていた頃5000人を連れて花見の宴をを開催したというのが有名であります。こんな由緒ある歴史的なところでお茶のおもてなしができるということは茶人冥利につきます。同時にお茶をはじめて数年経ち、ただただ月日だけが経ちまともにお稽古していない自分が携わっていいのかという反面もあります。この特別大花見 桜茶会は、関空から近くのヘリポートで吉野山へヘリコプターで20分で行くという吉野の桜の時期に渋滞をなにも考えずに済む夢の超VIPのプランになっております。
お茶席は、曜日によって違いますが、吉野町の文化財で元近鉄の社長の別荘である白雲荘。ここからは、ちらっと金峯山寺の本堂・蔵王堂も見渡せる絶景の場所です。大阪の懐石料理店木綿がたまに食事会を開催されているそうで、安藤忠雄さんもこられているそうです。
もう一つは、吉水神社。元は、吉水院と言われ、吉野山を統率する修験宗の僧坊でしたが、明治時代に神仏分離が行われ、後醍醐天皇の南朝の皇居であったことから吉水神社と改められました。秀吉の吉野大花見で本陣がおかれた場所です。ここでは、一目千本を一望できる半屋外の小屋と源義経や静御前、弁慶が潜居したとされる間でお茶席が設けられます。
最後は、竹林院群芳園の庭園で夜会・野点が行われます。ここの庭園は千利休が唯一作庭されたとも言われています。
どこもかしこも歴史的な特別な場所で今回のお茶会のすごさが伝わると思います。
研修の宿泊はここ竹林院群芳園。
エントランスの開放的な空間、何寸あるんでしょうか?太い柱と梁が印象的です。建築的にも見応えある建物です。
待合いの空間も趣を感じられます。
豊臣秀吉が吉野で花見をした時に持ってきたという屏風が飾られています。
また、茶弁当もあります。
こちらは、白雲荘。
まだ、芽吹いていないので、ちらっと金峯山寺の本堂・蔵王堂も見渡せます。
桜の木と手前がもみじ。新緑の頃は最高の景色になることが想像されます。
写真は2日目の研修の様子です。
17名をお客様としてお迎えし、実戦形式のお稽古です。
力不足ですが、薄茶席でお点前をさせて頂きました。
お稽古不足で間違えてしまいました。。。本番までにしっかりとお稽古し仕上げていかないとまずいですね。
次に吉水神社を参拝しました。
絶景です。
桜が満開の時には素晴らしい風景になることでしょう。
しかし、よく見ると、桜の木のふもとは、土が露出し一部は崩れているようにも見えます。世界遺産とされる場所でも山は傷みはじめているんだなと思うと悲しくもなります。吉野の桜は、役行者が蔵王権現を桜の木に刻み山に祀ったとされます。本尊を刻んだ「桜」こそ「御神木」としてふさわしいとされ、また、金峯山寺への参詣もさかんになり、御神木の献木という行為によって植え続けられてきたそうです。
その過程で美しい桜の名勝となったのに桜を観光目的だけで人都合だけで桜だけを生かそうとしても難しいのではないかなと思います。素晴らしい桜の風景をずっと保たれるように基環境から改善していく必要がありそうですね。
その中で、僕の尊敬する高田造園設計事務所の高田さんはじめ地元の方々の活動は素晴らしいものだと思います。リンク先を是非ご覧ください。
義経・静御前潜居の間で佐藤宮司のお話を伺いました。ここでも、お茶席が設けられます。
佐藤宮司のお話が面白い。
武士道と騎士道の違いは、武士道は桜。騎士道はバラ。桜とバラは似ているけど違う。桜はいかに美しく散るか、バラはいかに美しく咲くか。ただ、どちらも美しく咲き、美しく散るのは同じだ。
宮司になった頃は日本がまほろばになって欲しい。今は、世界がまほろばになって欲しい。美しく豊かで平和な国、世界になって欲しいと願っています。
こういう場所を使っていただき、歴史と文化の中に侘び寂びという日本の本来の姿を世界に感動させて欲しい。というお話をして頂きました。
当時のお花見の様子です。
最後に、佐藤宮司と記念撮影をさせて頂きました。
最後に、金峯山寺を訪れて今回の研修は終了です。
吉野の地に行き、歴史や文化に触れ、人の思いなど伺い、この茶会が偉大なることを体感しました。このことを心に刻み4月の本番に向けてお稽古に励みたいと思います。