埼玉県飯能市新しい街路樹づくり『こもれびの土づくり』
埼玉県飯能市で新しくできる道路において「里山の雰囲気を感じる道路」づくりを目指して街路樹がいきいきと根付くための土壌づくりに参加してきました。
どんな土壌づくりかというと気脈水脈の改善を行い、土中にに空気と水が通る仕組みをつくるということです。今までの植栽の仕方というと肥沃な土に入れ替えたり土壌改良したりして植栽していました。それだといずれ良い土も硬く締まり木の根を伸ばすことを阻害してしまいます。街路樹だとよく目にする根上りを引き起こすことにもなります。
土中に縦穴と横溝を堀り地形に高低差をつけ水を動きやすくし、そこに剪定枝を絡ませ空気と水を通すことで微生物の活動も活発になりそれらは分解され土壌環境を豊かにしてくれます。根っこはその豊かな環境に伸びるようになり樹々は健康に育ってきます。健康に育つことで「里山の雰囲気を感じる道路」となってくるのです。
街路樹の問題は、落ち葉やぶつ切りによる景観の悪化、根上りなど様々なことがあると思います。木が健康に育ち里山の雰囲気が感じられれば、苦情も少なくなってくることではないでしょうか。
しかし、今までには前例がないことに挑戦した埼玉県飯能市の職員の白須靖之さんには感激させられます。また、その白須さんの熱い思いを受け、全面的にバックアップした高田造園設計事務所の高田さんにも感動させられました。
そんな、前例がないおそらく全国初の試みの第一歩の場に加わりたくちょっと遠方でしたがその場にいたく参加させて頂きました。
白須さんはこんな話しをしてくれました。オフレコかな?でも良い話しなので、載せちゃいます。(笑)昔は、土とコンクリートばかりいじっていたそうです。そんな時に高田さんと出会い高田さんの自然に対する姿勢に共感したそうです。
土木の考えの環境保全は甘く高田さんと話して、そうじゃないんだ。と気付かされた。だったら、僕の立場なら何ができるのか。ぼくは土木を進みながらも自然保全に加担できる立場とポジションがあるからそこに挑戦したい、という思いで今回、進めた。いかに近代土木と古代土木の間をつくかが今のテーマである。
こんな例もあげて話してくれました。砂防ダムってだめじゃないですか。でも砂防ダムを造らなければならない背景もある。ではどういう砂防ダムならいいのか、もしくは砂防ダムに変わる何かをつくることが僕の立場なのかな・・・。と
こんなに熱くなれる人が全国にはいるんだなと、刺激をもらいました。
今回、こうやって一つ道筋が出来たのかなと思います。この道を閉ざすのではなく繋げていこうと、全国から集まった20名近くの造園関係者は思ったはずです。ぼくもその一人。ちょっとずつかもしれません。どんな形になるかも分かりませんが、この思いを繋げたいと思います。
高田造園設計事務所さんがブログでまとめています。こちらも合せてご覧下さい。